この記事では、マリオギャラクシーで登場したロゼッタが読んだ絵本の内容を第1章から第7章までおさらいし、要点をまとめています。
ロゼッタの絵本は、少女と星の子チコの冒険を通じて「家族の意味・愛・喪失の感情・新しい始まりを描いた物語」です。
「スーパーマリオギャラクシー」のシナリオ
スーパーマリオギャラクシーのオープニングとエンディングの内容も、絵本の内容と密接な関りがあります。
オープニング
「スーパーマリオギャラクシー」は、マリオがピーチ姫から百年に一度の「星くず祭」に招待されるところからスタートします。
スーパースターの源は、星から落ちてくる星くずとされており、無数のほうき星が夜空を覆っていました。
しかし、星くず祭の最中、飛行船に乗ったクッパが現れ
我輩の作る「新しい銀河の誕生」に立ちあってもらう!
と銀河の征服を企んでいることを宣言し、ピーチ姫をピーチ城ごとさらって銀河へと消えていってしまいます。
マリオは立ち向かうも、カメックによって宇宙かなたへと弾き飛ばされてしまいました。
マリオの冒険
マリオが意識を取り戻すと「ヘブンズ・ドア(天の扉)」と呼ばれる場所にいて、そこで星の子「ベビーチコ」と「ロゼッタ」に出会います。
ロゼッタは自身を「チコたちの母親」と自己紹介して
強い引力に引かれてパワースター(星船の力の源)が流れ落ち、星船が動かなくなってしまった
ことを明かし、クッパによって宇宙に散らばった「パワースター」を集める手助けをマリオに求めます。
ここからマリオはピーチ姫を助けるためにパワースターを集めるべく、宇宙冒険に出発しました。
ロゼッタの過去となる絵本の内容をおさらい
※ここからはネタバレを含んだ断定的な考察が含まれています。
ここからはロゼッタがチコ達に読んだ絵本の内容を、要点を抑えながら要約しました。
第一章「ふたり」の要約
昔、ある小さな星で女の子が…(全文はコチラ)
昔、ある小さな星で女の子がさびた星船を見つけ、その中に住む星の子チコと出会います。
チコはほうき星に乗って来るはずの母を待っていましたが、長い間母は現れませんでした。
女の子はチコと一緒に母を探すことを決意し、望遠鏡で星空を観察しますが、母の姿は見えません。
最終的に、女の子はチコと星船を磨き、母を探すために星の世界への旅に出発します。
結論から言うと、ロゼッタの正体は絵本の少女であり、星の加護によってタイムリープを繰り返しています。
終章で「100年に一度は青い星に向かうこと」が願われており、願いを叶えたロゼッタは1章の振り出しに戻るタイムリープするという前提で考えると、内容を理解しやすいです。
はじめに、少女がチコと偶然出会ったのは運命的な要素に感じられるでしょう。
しかし、実際にはチコが「たまたま出会った」と感じた少女こそが、ほうき星に乗って迎えに来た”過去のロゼッタ”でした。
【ギャラクシー】実は「キノピオ隊長」は『スーパーマリオギャラクシー』で初登場。キノピオ探検隊として、さらわれたピーチ姫を捜索しています。いろいろとマリオを助けてくれる…かも?#スーパーマリオ3Dコレクション pic.twitter.com/PlRAu8Vh0z
— スーパーマリオブラザーズ35周年 (@supermario35th) September 23, 2020
また、絵本で描かれる「キノコ型のさびた星船」はキノピオ探検隊が乗っていた宇宙船と同じ物という点も見逃せません。
ロゼッタはキノピオが作った星船に乗って100年に一度は帰ってきたとしても、故郷の青い星に着く頃にはロゼッタのみが幼い少女にタイムリープする流れになっています。
本来であれば故郷の星を見ることで思い出すこともできるはずですが、100年もの時間の経過が記憶を忘却させてしまう影響で、自身の体験を思い出せないのです。
対して、チコが「ほうき星で迎えに来るママ」の存在を知っていた理由は、星くずの記憶が受け継がれていることが影響しています。
少女の正体はロゼッタ。絵本の物語をループしてきたけど、100年の月日が記憶力を低下させた。しかし、チコが終章までに関わった記憶自体は、生まれてきた他のチコ達に共有される。
第二章「ほしくず」の要約
女の子とチコが星の世界へ旅立って…(全文はコチラ)
女の子とチコが星の世界へ旅立って数日が経過しましたが、ママを見つけることはできず、惑星も見つかりません。
食料は少なく、重要な水を忘れてしまった女の子は困惑します。
しかし、チコは星くずを食べることを提案し、女の子もそれに同意します。
二人は星船から身を乗り出し、落ちそうになりながらも、キラキラ光る星くずを集めます。
その星くずは甘いハチミツの味がしました。
星の世界へ旅立ったものの、母を見つけられない二人は星くずを食べて生き延びました。
旅の道中で食事を確保するのは、普通のことに感じるかもしれません。
しかし、少女が星くずを食べることによって、星の加護を受けるようになったと考えることができます。
少女の正体がロゼッタであれば、不思議な力を持っているのも星くずを食べたおかげかもしれません。
星くずは「生存の手段・精神的な繋がり・星の加護を受けた」といった重要な役割を果たす。
第三章「ひかるほし」の要約
朝日のような光が星船の窓から…(全文はコチラ)
朝日のような光が星船の窓から差し込む中、女の子はエメラルド色に輝く美しい星を発見します。
女の子とチコはその星へ行くことを決めます。
星は光る氷でできており、二人はそこでママを探しますが見つかりません。
しかし、氷の地面には星くずがたくさん埋まっており、チコはそれを得意げに示します。
この星は暖かく、水も手に入りそうなので、二人はここでしばらく暮らすことに決めます。
ママを探す旅は続きますが、彼らはこの光る星での一時を楽しむことにします。
二人はエメラルド色に輝く星を見つけ、そこを居住地としました。
第三章で出現するこの星は、少女が一大決心した思い入れのある場所としても重要なステージです。
第四章「ゆめ」の要約
女の子はママに関する夢を見ます…(全文はコチラ)
夢の中でママは、自分がいつも女の子を見守っていると言います。
女の子が太陽や月が見えない夜について尋ねると、ママは雨の夜は星となり、女の子が泣き止むのを待っていると答えます。
目覚めた女の子の目は涙で濡れており、チコが涙を星くずに例えますが、女の子はそれを否定します。
チコも泣き出し、二人はチコのママが見つからないことに悲しみます。
しかし、女の子はチコを慰め、自分が彼のママになると提案。
この言葉に、女の子は胸の中で小さな希望の光を感じるのでした。
少女が夢で母親に会うシーンは、彼女が思い出さないようにしていた内面の深い悲しみと希望を表しており、物語の感情的な核となります。
少女の母親である人物が誰であるのか公式情報ではわかっていませんが、絵本で描かれた母親の特徴から推測するに、ピーチ姫である可能性が非常に高いです。
第五章「いえ」の要約
女の子はチコと共に…(全文はコチラ)
女の子はチコと共に、自分たちの家を作るために一生懸命働いています。
彼女は氷の中から見つけた様々な道具や家具を使い、立派な家を作り上げます。
完成した家には書斎、寝室、台所、バスルーム、子供部屋がありますが、チコは家が広すぎるのではないかとためらいながら指摘します。
女の子は、家族がそろっていない寂しさを感じ、小さな声でそれを表現します。
その夜、女の子はウサギのぬいぐるみを抱きしめながら星船の中で眠りにつきます。
チコの母親になることを決心した少女は、精神的な成長を果たしました。
現地で家造りの素材を手に入れられたのも、星の加護によるものでしょう、
二人暮らしには見合わないサイズの家を作ったのも、自身の母親を思い出さないように頑張った結果であり、彼女の葛藤が伺えます。
着陸したエメラルド色の星で加護を受け、生活圏を成形できた。しかし、ロゼッタ自身の母親のことも忘れられない葛藤が描かれる。
第六章「なかま」の要約
ある日、女の子がアプリコットの香りの…(全文はコチラ)
ある日、女の子がアプリコットの香りの紅茶を飲んでいると、アプリコット色の小さな星が近づいてきました。
その星にはチコの仲間たちが住んでおり、オレンジ色のチコが降りてきます。
二人のチコは、女の子を自分のママだと主張し、可愛らしいやり取りをします。
その様子に女の子は笑いをこらえられません。
やがて、アプリコットの星からたくさんのチコたちが現れ、彼らも女の子を自分のママだと言います。
赤、青、オレンジ、緑のチコたちが一斉に声を合わせると、女の子はさらに笑いが込み上げます。
女の子はチコたちに一人一人名前をつけ、新しい家に引っ越す必要があると思い至ります。
少女は「アプリコット(あんず)の香りの紅茶」を飲んでいましたが、この伏線も親子関係を示していると考えられます。
ピーチ姫(桃)、ロゼッタ(バラ)、アプリコット(あんず)はいずれもバラ科であり、ピーチ姫とロゼッタに血の繋がりがあるかもしれません。
また、新しいチコたちに囲まれて「ぼくのママ!」と言われたのも、それぞれのチコが前世で覚えた記憶を引き継いでいることが影響しています。
ロゼッタの好物はバラ科に属する杏子の紅茶。ロゼッタは、チコ達が生まれ変わるたびに前世の記憶を一部有していることを知っている。
第七章「ぼうえんきょう」の要約
100個のほうき星が通り過ぎる中…(全文はコチラ)
100個のほうき星が通り過ぎる中、女の子は自分の生まれた星が今も青く光っているかと思い、父の望遠鏡を思い出します。
望遠鏡で小さな青い星を見ると、遠くにあるのに近く感じます。
望遠鏡を調整し、青い星が大きくなると、そこには女の子の故郷の丘が映っていました。
星見のテラス、雪で遊んだ日、お弁当を食べた日などの懐かしい風景が浮かぶと、突然女の子は「帰りたい」と泣き始めます。
彼女はママが星の世界にいないことをわかっていて、ママが故郷の木の下で眠っていると叫びます。
女の子の叫び声が星中に響き渡り、周囲は静まり返ります。
女の子自身も、自分の母親を見つけ出せることを期待していましたが、実際には現存していません。
夢の中で「星になって見守っている」というのは「宇宙空間のどこかにいる」という意味ではなく、「星に生まれ変わって見守る」という意味でした。
それでも健気で素直な気持ちで受け取った故に、生きている姿の母親を探し続けるのでしょう。
そのうえで、女の子が故郷の星を望遠鏡で見るシーンは、彼女の過去と現在、そして未来へのつながりを象徴しています。
- 過去:故郷の懐かしい風景、亡くなった自身の母親
- 現在:新しい家族に囲まれた生活のもとに、100個のほうき星が通り過ぎる
- 未来:家族のもとに帰りたいと願う、家族愛
そんなときにチコと巡り合うことで自分の新しい居場所を見つけることができました。
第八章「ねがいごと」の要約
泣き続ける女の子に…(全文はコチラ)
泣き続ける女の子に、チコたちはママが彼女の中に存在していることを伝えます。
彼らは星くずもママの一部だと説明しますが、女の子はまだ納得できません。
そこで、チコは女の子の願いを叶えるため、自ら星になることを決意します。
彼は地面に突入し、その結果として立派なほうき星の尾を形成します。
チコは星に生まれ変わったのです。
他のチコたちも、星になるために生まれてきたことを明かし、大切な人の笑顔のために星になりたいと願います。
彼らは女の子にもう泣かないようにと慰めます。
女の子は声なき声で感謝し、チコたちを抱きしめます。
この日以来、女の子の目からは星くずが流れなくなり、ほうき星は誇らしげに女の子の故郷の星を目指して進むようになりました。
チコは「誰かのために力を発揮することで星になり、星くずになる最期までほうき星として流れる」という生命サイクルを持っています。
星に変身する魔法的な瞬間は、物語の最もドラマチックな展開であり、自己犠牲と愛の力を示しているでしょう。
終章「かぞく」の要約
たくさんのチコと望遠鏡を持つ女の子は…(全文はコチラ)
たくさんのチコと望遠鏡を持つ女の子は、ほうき星をチコたちの家としています。
新しい仲間の歓迎会の日、女の子はチコたちをキッチンに集めて星くずパンを作ることを提案します。
チコたちは喜んで材料を集めに行きます。
女の子は自分がずっとチコたちのそばにいること、彼らが巣立つ日まで誰も寂しくないように、そして別れの日が来ても笑顔で見送ることが自分の幸せだと思います。
彼女は目を閉じて、故郷の青い星を思い浮かべ、百年に一度はそこに帰って家族との時間を過ごしたいと願います。
女の子とチコを乗せたほうき星は旅を続け、数え切れないほどの家族を載せて、百年に一度故郷の星に立ち寄ると言われています。
物語の終わりに女の子が新しい家族との役割を受け入れることは、彼女の成長と変化を表し、物語に意味と解決をもたらします。
チコ達自身が作り出したほうき星が家となり、女の子は数え切れないほどの家族とともに旅を続け、百年に一度は故郷の星に立ち寄るとされました。
「パパの自慢のおヒゲに触りたい」というのも、父親であるマリオのことを指すと考えられます。
こうして星に変身したチコは砕け散って星くずとなり、生まれた別のチコに受け継がれ1章に戻るというサイクルです。
エンディング
クッパが超新星爆発を起こし、マリオ達が吹き飛ばされる事態になります。
そしてマリオが目を醒ますと、キノコ王国の前で住民やクッパ軍団が仲良く交流をしていました。
最後にロゼッタは
命はくり返します。けれど、一つとして同じくり返しはありません…。 なぜなら、 新しい命に「星くずの記憶」が引き継がれる。あなた達にも。
とセリフを残して、終わりになります。
そして最後に、新しい小さなチコが顔を出して、第1章の幕開けを予感させる展開で締めくくられました。
エンディングで気付いた点としては、キノコ王国は襲撃の残骸が無いことから、マリオ達もロゼッタのようにタイムリープしていると考えられます。
星くず祭りの前(もしくは、それより以前)に戻っていますが、良好な記憶が引き継がれているゆえにクッパ軍団も敵意が無くなったのかもしれません。
ロゼッタの絵本の内容のまとめ
絵本の主人公となった少女「ロゼッタ」の出生と、タイムリープしている内容を簡潔にまとめると、下記の通りになります。
- マリオとピーチ姫の子供として生まれる。
- ピーチ姫が亡くなる。(人生A)
- ロゼッタはチコと出会って「チコのママ」を探す。(十数年~)
- 挫折や葛藤を味わいながら旅をする。(十数年~)
- チコは星に生まれ変わる。
- 星に生まれ変わったら、ロゼッタを乗せて「青い星」に向かう。(100年に一度)
- 本人の願いが叶うと、タイムリープする。(③に戻って、人生B、人生C…と続く)
※全く同じ事象が繰り返されるわけではない。 - 何十回というループを繰り返して、マリオに助けられる運命に出会う(人生X)
そして、チコの正体と生命サイクルを表すと下記の通りです。
- 星くずを元に、ベビィチコが生まれる。
- 誰かの願いを叶えるために「星」に変身する。
- ほうき星となって宇宙を流れ、惑星になる。
- 砕け散って星くずとなり、絶命する。
※過去の体験や反省が「星の加護」として、少女に有益なものを残す。 - ⑤の星くずを元に、新しいチコが記憶を引き継いで生まれる。(①に戻る)
※ロゼッタが言った「ほうき星に乗って迎えに行くね」」を覚えている。
ロゼッタの世界は、宇宙のスピリチュアルな世界観とタイムリープというフィクションが組み合わさって神秘的な物語を生んでいました。
さらにロゼッタの設定を詳しく知りたい方は、コチラの記事をご覧ください。
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